認識空間の「クラウド」を包超するメタ認識技術
『脱日本人クラウド』というブログテーマ。
この「クラウド」という単語に対しては皆さん多様なイメージを持たれると思います。
そこで、今日は改めてお伝えしたいイメージや意味について整理しておこうと思います。
「クラウド」という概念
ITの世界ではよく使われる「クラウド(cloud)」という言葉。
その名の通り雲や集団などを表す言葉ですが、全体像が不明確でモヤモヤとした塊や集まりという意味を持ちます。
これを人間に当てはめた時、人間の無意識の認識空間においても「クラウド」の概念で整理することができます。
また、もう少し専門的な言い方をすれば、
「異なる時空間の条件と影響によって形成されたある人間集団内で意識的無意識的に共有される、認識の枠組みのパターンの総体。」
と表現することができます。
(引用元:日韓Vision同盟 日本代表の内海昭徳氏と韓国代表Noh Jesu氏の共著論文より
この、認識空間における「クラウド」は
「個人クラウド」「家族クラウド」「企業クラウド」「日本クラウド」「東洋クラウド」「人間クラウド」「心クラウド」など
様々な集団・組織の中で形成される、意識的・無意識的な認識パターンです。
一例を挙げるなら、身近で最もわかりやすいものは「家族クラウド」でしょうか。
自分の考え・感情のパターン、また表情・言葉・行動のパターン。
それらは幼少の頃の身近な人間関係や周囲の環境との相互作用の中で少しずつ構築されていきます。
特に母親の影響というのは非常に大きく、母親から受けた人間関係のイメージや周囲の人との関係性など、実は無意識深くにベースになっていたりもします。
他の例を挙げると「日本クラウド」。
日本人の特徴でもある、おもてなしの心、侍の精神などは、脈々と日本人のDNAに刻み込まれてきました。
ただ、一方で相手に合わせて自分の意見が言えない、空気を読みすぎてなかなか疎通ができない、関係性が構築できないという人も多くなってきています。
これは、個人の問題以上に、「日本人」という集団の無意識の認識作用も働いています。
また、日本は嫌韓、韓国は反日のイメージがそれぞれ入っているように、この国毎のクラウドというのは生まれた国によって全く異なってきますし、無意識深くに刷り込まれているものです。
「人間クラウド」は、そもそも人間の脳機能の限界や5感覚で引っ張ることができる情報に限界があることから来る自然認識の不完全性と表現することもできます。
「心クラウド」は、一番深い認識作用の表現として使ってみました。
ここまで来たら、もう人間の5感覚の認識の外の次元になっていきます。
量子力学やM理論などの最先端科学と繋がる話でもあり、また東洋の偉人である釈迦が唱えた「空(くう)」や老子が唱えた「道(たお)」などと繋がる、言わば”悟り”の境地でもあります。
見えない牢屋「クラウド」に掴まれている
クラウドというものは目に見えません。
しかし、これらのクラウドというのは、人間なら誰しもインストールされているもので、年齢を重ねる毎に知らず知らずだんだん硬くなっていきます。
また、自分が絶対正しいという無意識深い固定概念も作っていきます。
結果として知った知識に掴まれる。
常に同じパターンを繰り返し、マンネリになる。
相手そのものの存在を否定したり、一方で自己否定したり、本当の意味でスムーズな人間関係を構築することもできません。
目で見て観察することができない牢屋「クラウド」に常に意識的にも無意識的にも掴まれているのが人間です。
しかもこの「クラウド」から簡単に出ることができないのもまた人間です。
「クラウド」が生まれる仕組みを理解すること
「クラウド」の外に出るためには、まずは仕組みを理解することです。
この相対世界の中で、どのような因果によってそれぞれの「クラウド」が作られて来たのか。
また、それぞれの「クラウド」がどのような関係性にあるのか。
つまり、自分の「個人クラウド」「家族クラウド」のパターンを整理し、さらに「人間クラウド」や「心クラウド」などの人間の5感覚や脳の機能、存在の仕組みの理解を通して整理が起きたときに、
「あぁなるほど」という答えとともに、「クラウド」から自由になる道がスタートしていきます。
100%の理解を通して、仕組み通りに自らの意思で出ていくことが可能になっていきます。
認識方式のバージョンアップ
仕組みから出るには認識の次元を上昇させる認識技術を活用します。
人間の自然認識というものは本当に曖昧なものです。
知った世界から自由になれず常に過去が基準点では、新しいものを創造したりクリエイティブを生むことは不可能です。
今までの認識方式ではクラウドを超えることができません。
パッと見てフッと思う人間の認識ではなく、すべての仕組みを理解して全く新しい基準点から観ることができる認識方式へのバージョンアップが必要です。
すべての因果から出た、一番シンプルな世界から物事を観る演繹的な認識方式。
すべてのクラウドから出たところから自由に因果を創造することができる認識方式。
そんな物事を認識する認識次元をバージョンアップさせるのは、科学技術ではなく認識技術です。
「クラウド」から自由になった新しい生き方
すべての問題は人間関係にあると言っても過言ではありませんが、人間関係の邪魔をしているものも「クラウド」です。
だからこそ、まずは個人一人ひとりがこの無意識深い「クラウド」に掴まれるのではなく、そこから自由になっていくことが本当に重要だと思います。
そして、全てが自由になったところから、今までの「クラウド」を選択することもできるし、再創造していくこともできる。
そんな自由自在の認識方式が、個人の生き方の変化、関係性の変化、組織の変化を作っていくことができると確信しています。
国家間の歴史認識の問題や、宗教・思想・哲学・科学の問題もあらゆる問題が、”認識”というテーマに集約されていきます。
21世紀はモノを変化させる科学技術だけでなく、認識を変化させる認識技術が必要な時代です。
科学技術と認識技術が両輪バランスよく稼働することが、新しい時代へ進む大事な要素になっていくと私は確信しています。